旧姓表記の証明書をベトナムで有効にするには?

ベトナムで労働許可書取得のために職務経歴証明書と大学の卒業証明書を取り寄せたのですが、各書類の姓が結婚前の旧姓表記になっています。ベトナムで現在の姓と同一人物であることを証明するにはどうすればいいのでしょうか?

戸籍謄本などを使う日本での方法を準用するしかありませんが、それをすんなり受け付けるかは役所担当者の裁量もありますので、事前のやり取りや関係性も必要になってくることがあります。

夫婦別姓のベトナムでは旧姓という概念がありません。ですので必然的に現在の姓と旧姓が同一人物であることの証明についての制度が整っていないわけですが、今回のようなケースではどのように対応すればいいのでしょうか。本記事ではその方法に加え、実務上の問題に私見を交えてご紹介します。

夫婦同姓の国は極めて少ない?

ベトナムは結婚後も夫婦は別々の姓を名乗りますので、日本のような夫婦同姓に馴染みがありません。また世界的に見ても夫婦同姓を採用している国は少なく、夫婦同姓の日本は珍しい国となっています。ですのでベトナムでは日常的に旧姓といった問題が生じないことや、外国人でも夫婦同姓を採用している国が少ないこと、また日本のような国でも旧姓が問題となってくる申請事例が少ないことなどから、あまりこの部分がクローズアップされることがありません。

つまり今回のような現地採用の労働許可書にまつわる事例も起こりえるわけですが、既婚者で旧姓時代の証明書しか準備できないような人の就職は現在でも数としてそれほど多くないことが窺えます。

戸籍謄本を使って証明する

ベトナムでは旧姓と現在の姓が同一人物かどうかを証明する機会が社会的にありませんので、ベトナム式の証明方法はありません。そこで日本のやり方を準用して認めてもらうしかない、ということになります。

日本国内でも戸籍謄本は同一人物であることを証明するときによく使われますので、その部分については特に解説の必要がないかと思います。ただ日本の戸籍謄本をベトナムで有効にするには在ベトナム大使館(領事館)による領事認証が必要になるのでその点だけ注意が必要です。

ところが厄介ないのはそうすることで絶対大丈夫と言い切れない点で、書類を受け付ける担当者によっては「今の姓が記載されている書類を準備しろ←(それができれば苦労しない)」などと、合法化された戸籍謄本を添えても受け付けないことがあります。ベトナムで書類申請などを経験したことがある方は何となく想像できるかと思いますが、こういったことが起きる可能性があることから事前の担当者とのやり取りが重要となってきます。

パスポートの旧姓表記

2021年4月よりパスポートに旧姓の表記が必要書類の提出により簡単にできるようになりました。

参考:旅券(パスポート)の旧姓併記について|外務省 (mofa.go.jp)

私はまだ旧姓表記のパスポートを見たことがなく実務でも使用したことがありませんので、これが戸籍謄本に代わるものとして受け付けられるか確信が持てませんが、パスポートを本人確認として使用しているのは現在も変わりませんので、使用できる可能性は高いと考えています。結婚後に姓が変わった女性で海外生活をする方は次回のパスポート更新時などに旧姓表記を申請しておいたほうが便利かもしれません。

海外(ベトナム)において旧姓にまつわる悩みは数としてそれほど多くはないですが、事例が少ない分そういう事態に直面すると解決方法を探しにくいこともあります。特にベトナムの場合は担当者によって対応が異なるのはよくあることですので、エージェントに相談して解決するのが一番確実となってきます。