賞与の支給条件に出勤率を設定する場合

私が勤めている会社では賞与の支給条件に「出勤率が全労働日の90%以上」という設定があるんですが、このような規定は法令上認められるのでしょうか?

規定そのものは認められます。ただし労働した日としてみなす定義設定によっては違法の判決を受ける可能性があります。

賞与の支給を決定する際に、出勤日数が基準に達していない場合は支給そのものをしないという規定を設けている企業があります。これは欠勤の多い従業員が他の従業員と同じ基準で賞与を受けるのは公平ではないという考えからですが、この規定を設定する場合はいくつか注意点があります。今回は支給条件に出勤率を設定する場合について解説します。

労働者に与えられた「休む権利」を侵害しないかどうかが重要

賞与の支給要件に出勤率を設定する場合、出勤率の算定上で労働した日としてみなす項目をしっかり定義しておく必要があります。仕事は休んでいるが、(給与の有無は関係なく)労働した日とみなすべき代表的な項目を以下に記載します。

・年次有給休暇

・産前産後休暇

・業務上で負傷または疾病にかかり療養のために休業した期間

・会社都合による休業期間

・労働法第115条に定められた「私的休暇」(本人または近い身内の冠婚葬祭、など)

上に挙げた項目は労働者が休みを申請する上で当然の権利であり、取得すると出勤率の関係上、賞与を得られなくなるという理由から取得を抑制するようなことになってはいけません。上記の項目を出勤日として算定しない設定をした場合は違法とみなされる可能性が高くなります。

つまり労働法で休む権利が与えられている以外の私的休暇で設定の出勤率を下回った場合は、賞与の支給をしないことが認められると考えることができます。

因みにパーセンテージの設定ですが、具体的な上限規定はありませんので判断が難しいところです。ただあまりにも高いパーセンテージ(100%や99%など)は妥当でないと判断される可能性がありますので、労働法第125条「解雇による規律処分の適応」の4項「正当な理由なく365日間に合計20日仕事を放棄した」辺りの日数を参考に設定するのも一考かと思います。