高まる新卒の希望給与とその実情

新卒の希望給与が上がっているという情報を見ましたが、新卒採用を検討する際にも想定給与を上げたほうがいいのでしょうか。

新卒の希望給与と最終的に落ち着く額の差に開きがあるという印象です。当面は従来通りの給与設定で想定しておいて問題ないかと思います。

先日VNexpressで取り上げられた記事で「新卒者の希望給与と企業が出す給与の開き」というものがありました。今回は弊社に登録している新卒者の希望給与と照らし合わせながら現在起きている事象についてメスを入れていこうと思います。

記事元:Nhiều sinh viên mới ra trường muốn lương 10-15 triệu đồng – VnExpress Kinh doanh

新卒の希望給与とは

記事の中では「新卒者の43%が1000万~1500万VND」を希望するとあり、「31%が600万~1000万VND未満を希望している」とあります。一方新卒者に対して「1000万~1500万VNDを支払うことができる企業は28%」と新卒者と企業側での開きが起きているというものでした。

この状況について弊社に今年登録した新卒者25名が希望する給与を集計してみますと、以下のような数字となりました。

・ 1000万~1500万VNDを希望 :0%

・ 600万~1000万VNDを希望:100%

このように圧倒的な結果となりましたが、これには次で説明するような事情があります。

希望額と実際に落ち着く額

新卒者は正社員としての職歴がなく、給与の相場がどんなものか把握していない人も多いものです。なので自分がどのぐらいの額を希望するのかは周りから聞いた何となくの情報で決める人が多いのですが、「1000万~1500万VNDを支払う企業」と書いてある通り、実際に新卒でそんな額で入社したという話を周りから聞くこともあるでしょう。そこに合わせて「自分もそのぐらいもらえれば」と考えて希望給与をとりあえず高めに設定するという人もいます。しかし実際に新卒でその額の職を得る枠はかなり限られるので、結果的に「600万~1000万VND未満」の枠に落ちついて就業するパターンが大半となります。

弊社に登録に来る新卒者は実際に弊社が掲げている求人を見てやってきますので、その求人給与の記載額(600万~1000万VND未満)でも就職したいという層になります。最初からこの額を希望していたのか、あるいは高い額を希望していたけど見つからないから希望額を下げたのかは分かりませんが、まだまだ相場価格は上記の額で、新卒者の初任給もその額内に収まる人がほとんどです。ですのでいくら新卒の希望給与が上がっているからといって、当面は「600万~800万VND」が新卒給与の相場になると言えます。

因みに某ベトナム系IT企業で新卒の女の子に800USDの給与を出しているところがありました。同社の社長に話を聞いてみると、かなりポテンシャルがあって将来自分の右腕にしたいから最初からその給与で囲い込んでいるとのことです。そんな待遇の話を聞くとこれからの新卒者にとっても夢がある話ではありますが、ほとんどの人にとって、そこを希望すると中々就職できない現実が待ち受けているかと思います。

このニュース記事にはベトナム人から多数のコメントが寄せられており、この高い希望額に賛成する意見や反対の意見、また中には30年働いて新卒者の希望給与より自分の給与は安いといった自虐的なコメントなど、様々な反応が見られます。