なぜ社会的隔離措置の通達は突然発表されるのか?

政府からの社会的隔離措置の通達がいつも突然なのはなぜですか?

意図的にそうしているという話があります。

ホーチミン市では7月9日から社会的隔離措置が取られていますが、首都ハノイでも7月24日の午前6時より社会的隔離措置が実施されています。これまでもこういった通達は突然発表され、従業員の出勤調整や自身の生活について難儀した日本人も多いことでしょう。従業員から突如通達文書が送られてきたが、ベトナム語表記なので正確な情報が分からず指示に時間を要したという声もありました。今回はこのような通達が突然発表される背景について書きます。

ベトナム人の反応は慣れたもの

社会的隔離措置の通達はニュースの他、フェイスブックなどのSNSシェアを通じて一気に拡散されますが、ベトナム人は状況に応じたライフスタイルの切り替えを既に確立させている人が多いように感じます。

昨年から続く活動制限により収入が減ったり失業したというベトナム人も少なくはないですが、こういった中でも日銭を稼ぐために臨時的な収入源を持っているベトナム人は多く、サバイバル力の高さを感じさせます。

私が住むマンションでもそれぞれの住民の部屋が臨時の店になりまして、自分の家で作った料理を居住者向けにデリバリーしていたり、親族が農家という家庭では野菜や肉、米などが売られています。まさに即席の市場といった感じでしょうか。私の妻もその即席のマンション市場で調達した食材だけで昨日の夕食を作っていました。

通達を突然出すことは防疫上合理的?

どうしていつも突然の通達なのかなぁと思いましたので、知り合いの人民委員会の職員に聞いてみました。

「突然の通達じゃないほうが社会的に混乱する可能性があるからだと思います。例えば、【3日後に社会的隔離措置を適応する】なんて事前通達すると、多くの人がハノイから出て田舎に帰ろうとするかもしれない。3日後に自由がなくなるから食料の買いだめや、友人を自宅に呼んで交流しようとする人もたくさんいるだろう。そんな中でハノイや帰省先の田舎で感染が広まったら収集つかなくなるし、人々も混乱するはず。であれば突然ロックダウンしたほうが感染拡大を防ぐ上で合理的でしょう?」

とのこと。確かに一理あります。強制力をもつ政府ならではで、私も「そうですね」としか言えませんでした。都市部の医療やライフラインが崩壊しない限りは「出ない、入れさせない」戦略が一番有効なのはこれまでの実績からも頷けます。多くのベトナム人がそれを自覚しているから突然の通達に対しても、冷静に受け入れているということなんでしょう(もちろん不満など言っても仕方がないという社会事情はあるかと思いますが)。

因みに昨日飼い犬に小便をさせるために外に出ていた友人が罰金を食らっていました。自宅が目に入る場所だったんですが、相当厳しいようです。皆さんもお気をつけください。