職歴を偽って労働許可書を取った場合のリスク

労働許可書に必要な職務経歴要件を満たしていなかったので、コンサル経由で職歴を加工して労働許可書を取得しました。今後考えられるリスクはありますか?

現行の労働許可書が取り消されるといったことはまず無いと思います。ただし更新や別会社での新規取得の際には注意してください。

昨今労働許可書(以下:WP)の取得が厳しくなっており、新規取得や更新が叶わず帰国することになったという現地採用者の声がチラホラ聞かれます。多くの現地採用者がWPを取得する際のハードルになるのが職務経歴ですが、今回はWP取得時における職務経歴書の実情と実際に起きたトラブル事例を紹介します。

専門家としての職務経歴を求められるが

ベトナムのWP取得のための条件は厳しいと言われていますが、実際のところ条件を満たしていない人でもWPを取得できている現地採用者は珍しくありません。ご存じの通り、ベトナムでWPを取得するためには従事する業務と同じ職務経歴や学歴などを求められます。しかし現実的に全ての条件を満たしている現地採用者となりますと、その数はかなり限られてきます。つまり多くの現地採用者は何かしらの形でWPを取得しているわけで、そこがコンサルの腕の見せ所といったところになります。

いじくった職歴は内容を把握しておきたいところ

過去に相談のあったお客様で以下のような方がいらっしゃいました。

①過去にA社にて就業。WPを取得しているがそのまま使える職歴は持っていないので、何かしら職歴を加工して取得したと思われる。

➁その後転職してB社へ入社。B社にてWPを申請するもやはりそのまま使える職歴がないので、加工して申請。(A社とB社がWP取得のため利用したコンサルはそれぞれ別会社)

③役所から、過去にA社から提出された職歴とB社が今回提出した職歴の整合性が取れないので申請却下の連絡が入る。A社が利用したコンサル会社にどんな職歴を提出したか確認するも「覚えてない、記録がない」の一点張り。

④何とかなりませんかと私のところへ連絡が入る

WPやTRCの取得についてコンサル会社を利用するのは普通ですが、できればどのように取得するのかはしっかり把握しておきたいところです。結果的に取得できれば何でもいいと丸投げの方もいらっしゃいますが、思わぬ形でトラブルが発生することもありますので、プロセスの部分もできる限り関わっておくことをお勧めします。

上の方は結局WPを取得することができましたが、その時は当局の担当者に通じているベトナム人の力を借りて解決に至りました。この事案については私単独では処理できない案件レベルです。

経験上、WP取得についてその方法は一つだけに限りません。取得代行を行うコンサルによって提案する内容が違うということも普通にあります。信頼できるコンサルであればその人に任せておけばいいと思いますが、そういったコンサルが特にいない場合は複数のコンサルの意見を聞いた上で選択することをお勧めします。