従業員を不当に辞めさせた場合の企業が負う責任と義務

自社の従業員を不当に労働契約を解除した場合、どのような義務と責任が課せられるのでしょうか?また不当解雇の基準を知りたいです。

義務と責任については労働法第41条に定められています。また雇用者側から一方的に労働契約を解除する場合は同法第36条を参考にして下さい。

不当解雇の定義とは

何かしら問題があった従業員を辞めさせたときに「不当解雇だ!」と騒がれるとドキッとするかもしれません。辞めさせた本人にその気が全くなかったとしても結果的に不当解雇として処分を受けるということもありえます。こういった事態に陥らないためには、まず「雇用側が一方的に労働契約を破棄できるケース」を押さえておきましょう。労働法第36条では「雇用側が一方的に労働契約を破棄できるケース」を以下のように定めています。

a.求められる水準の業務レベルを常に完成できない。
b.病気、事故などにより連続して12か月(無期雇用)、6か月(12~36か月の有期雇用)、労働期間の二分の一(12か月未満の有期)治療を受けたが労働能力が回復しない。
c.自然災害、火災、危険な疫病、国家機関の要求による損害、移住、生産経営の縮小により労働場所を減らすことが強いられる場合
d.31条が規定する期間後に職場に来ない
đ.定年退職になった
e.5日以上正当な理由がなく仕事をしない
f.労働者が必要な情報を提示せず採用に影響を与える

またa,b,c,đ,fで解除する場合は以下の日数前に伝えなければなりません。

・無期雇用者←45日前  ・有期雇用者(12か月~36か月)←30日前  ・有期雇用者(12か月未満)←3営業日

dとeは事前通知は必要ないとされています。したがって雇用主は以上の内容に該当する場合、一方的に契約解除をすることが認められていますが、同37条では労働者が以下の状況下では労働契約の解除ができないとされています。

1,労働者が病気、労災、職業病などで治療中の場合。ただし上述bの場合を除く。

2,年次有給、私的休暇など使用者の同意を得た休暇中の場合

3,妊娠中、産休中、生後12か月未満の子どもを養育中

不当に解雇した場合に雇用主に課される責任

不法に労働契約を一方的に解除した場合、使用者は労働法第41条に則って以下のような義務を負わなければなりません。*以下概要

1,労働者が再び同契約内容で働くことを受け入れなければならず、働けなかった期間分の賃金、社会保険、医療保険、失業保険を支払い、労働契約に従った2か月分の賃金を追加で支払わなければならない。

2,労働者が継続して働くことを希望しない場合は1に規定したものを支払うことに加え、労働法第46条で規定する退職金を支払わなければならない。

3,使用者が受け入れを拒否し、労働者もそれに合意する場合は1,2で規定する金銭を支払うとともに、労働契約を終了するための賠償金を用意しなければならない。目安は労働契約に従った賃金2か月分とする。

ベトナムの労働法では労働者の権利が守られており、雇用側から一方的な労働契約の終了ができるケースは限られます。能力不足や素行などの面から一方的に契約を終了したいと考えても、あまり安易に実行はするべきではないと考えておいたほうがいいかと思います。基本は合意退職を軸にアプローチされることをお勧めいたします。